水防警報

水防警報とは

水防警報とは、河川が所定の水位に達した際に、防災機関(水防団や消防機関など)の出動の指針とするために発令されるものです(水防法第16条)。
国土交通大臣または都道府県知事は、河川、湖沼又は海岸を指定して、水防管理団体の水防活動に指針を与えるため、河川の洪水予報等の一般の方への情報より早目に、より低い水位で段階的に水防警報を発令することとしています(水防法第16条)。

種類 内容 発表基準
待機 1.増水あるいは水位の再上昇等が予想される場合に、状況に応じて直ちに水防機関が出動できるように待機する必要がある旨を警告するもの。 気象情報、警報等及び河川状況により、必要と認める時。
2.水防機関の出動期間が長引くような場合に、出動人員を減らしてもさしつかえないが、水防活動をやめることはできない旨を警告するもの。
準備 水防に関する情報連絡、水防資器材の整備、水閘門機能等の点検、通信及び輸送の確保等に努めるとともに、水防機関に出動の準備をさせる必要がある旨を警告するもの。 雨量、水位、流量とその他の河川状況により必要と認めるとき。
出動 水防機関が出動する必要がある旨を警告するもの。 洪水注意報等により、または、水位、流量その他の河川状況により、はん濫注意水位を超えるおそれがあるとき。
指示 水位、滞水時間その他水防活動上必要な状況を明示するとともに、越水、漏水、法崩、亀裂その他河川状況により警戒を必要とする事項を指摘して警告するもの。 洪水警報等により、または、既にはん濫注意水位を超え、災害のおこるおそれがあるとき。
解除 水防活動を必要とする出水状況が解消した旨及び当該基準水位観測所名による一連の水防警報を解除する旨を通告するもの。 はん濫注意水位以下に下降したとき。または、はん濫注意水位以上であっても水防作業を必要とする河川状況が解消したと認めるとき。
情報 雨量・水位の状況、水位予測、河川・流域の状況等水防活動上必要なもの。 状況により必要と認めるとき。

地震による堤防の漏水、沈下等の場合又は津波の場合は、上記に準じて水防警報を発表する。

(江戸川河川事務所HPより)

水防

火災の発生を警戒したり、消火したりすることを「消防」というように、水害の発生を警戒したり、土のうなどで水があふれるのを防ぐことを、「みず」から「ふせぐ」と書いて「水防」と呼んでいます。
洪水時あるいは洪水のおそれがある時に、地域に住んでいる人々(住民)が中心となって、土のう積みなどの水防工法で水があふれたり堤防が決壊するのを防いだり、注意を呼びかけたり、避難をしたりすることで、水害による人命や財産への被害を防止あるいは軽減することが「水防」の主な活動です。国や地方自治体も、気象や河川に関する情報や水防資器材(排水ポンプ車等)の提供などを通じて住民の活動を支援しています。

* 水防工法(代表例)
原因 工法 工法の概要 利用箇所 主に使用する資材 備考
越水 積み土のう工 堤防天端に土のうを数段積み、川側と控え土のう間へ中詰め土砂を入れる 河川 土のう、土砂
漏水 川裏 月の輪工 裏法部によりかかり半円形に積み土のうを行う 河川 土のう、土砂、
シート、
排水パイプ、
鉄筋杭、
PPロープ
川表 シート張り工 川表の漏水面に防水シートを張る 河川 竹、シート、
土のう、杭、
ロープ
洗掘 木流し工 樹木に重り土のうをつけて流し局部を被覆する 急流
河川
樹木、土のう
ロープ、
鉄線 杭
亀裂 裏法 五徳縫い工 裏法面の亀裂を竹で縫い崩落を防ぐ 河川 竹、土のう
PPロープ
天端 折り返し工 亀裂が天端から裏法にかけて生じるもので、竹で亀裂を防ぐ 河川 竹、土のう 
PPロープ
天端~裏法 繋ぎ縫い工 亀裂が天端から裏法に掛けて生じるもので、杭を打ち竹を取り付け亀裂を防ぐ 河川 杭、竹又は鉄線、土のう、PPロープ
鉄線は#8

水防工法 Pocket Book 松山河川国道工事HPより、一部加筆

「水防」とは、こうした水害に立ち向かう自助・共助・公助をすべて含めた概念であると言うことができます。消防のような火災や地震等が起こった後の対応ではなく、水害を未然に防止することを究極の目標としていますので、人目につきにくく、さらに効果がわかりにくいのですが、地域の安全のために重要な役割を担っているのです。

水防に関する組織

水防に関する諸規定を定めた「水防法」において、水防に関する責任は市町村等が有することとされ、それらの団体を水防管理団体と定めています(水防法第2条、第3条)。
水防管理団体は、市町村、市町村が共同で水防事務を処理する水防事務組合、水防に関して地縁的に組織された水害予防組合からなり、全国で約1,750団体存在します。水防管理団体は、実際に水防活動を行う水防団を設置することができるほか、常設の消防機関をその統括下において水防活動に従事させることができることとされています。
一方、都道府県は、水防管理団体の水防活動が十分に行われるように確保すべき責任を有することとされ、水防管理団体が水防の効果を発揮するために必要な水防計画の作成、洪水予報や水防警報の発表・通知、緊急時の避難指示、水防費の補助等を行うこととされています(水防法第3条の6、第7条、第11条、第13条、第14条、第15条、第16条、第44条等)。